ここでは、真性半導体、不純物半導体について説明します。
・半導体とは?
半導体とはどうゆうものなのか?それは「半導体の仕組み」にて説明しました。簡単におさらいします。まず、電気が流れるとはどうゆうことか説明します。電子が詰まって動けない価電子帯→電子が詰まっておらず動き回れる伝導帯に電子が移動することで、伝導帯を電子が動き回る=電気が流れるのです。Eg=バンドギャップと呼ばれるものに相当するエネルギーを与えることによって、価電子帯の電子が伝導帯へ移動することができ電気が流れます。この原理自体は、絶縁体だろうが導体だろうが同じです。では、半導体とはそれらと何が違うのか?それは簡単です。半導体は、Egが導体と絶縁体の間にあるのです。Egが導体と絶縁体の間だと何がよいのか?それを今回説明していきます。
・半導体の材料(Si)と真性半導体
さて、まずは半導体材料の話からです。半導体材料として一般的に使用されるものがわかるでしょうか?正解はシリコン(Si)です。他にも半導体材料はたくさんありますが、なぜSiが使用されるのか。その理由は下記となります。
・豊富で容易に入手できるから
・不純物を取り除き、容易に純度を高められるから
・加工がしやすいから
このようにSiは多くの利点を持っており、半導体材料として一般的に使用されております。性能だけで見ればほかに良い半導体材料はありますが、加工が非常に難しかったりなどの理由で一般的に使用するにはまだまだ難しい状況です。(実用化はされているがSi半導体に比べ、非常に高価)
そんなSiですが、Si原子単体で構成されておりこの単体の原子で構成された半導体は”真性半導体”と呼ばれます。Siは下図のようにお互いの電子同士をシェアする形で結合をしています。これは共有結合と呼びます。通常のこの状態では電子が強く結合しているのでエネルギーを当てても電子は動けず電気は流れません。どうすれば電気を流せるようになるのか?そこで出てくるのが不純物です。価電子の異なる不純物を少し加えるだけで、電気の流れやすさをコントロールできるのです。
・不純物半導体
不純物半導体にはP型、N型の2種類があります。ここではまずN型をみていきましょう。Si原子の1つをリン(P)原子に置き換えた場合を考えます。Siは4価なので電子の足が4本ありますが、Pは5価であり5本の足があります。なので、SiにPを混ぜると電子が1つ共有結合されずに余ってしまいます。この電子は結合していないのでエネルギーを与えると自由に動くことができる。つまり電気が流れます。このように電子が電流の運び手(キャリア)となるのがN型半導体です。
次にP型です。Si原子の1つをボロン(B)原子に置き換えた場合を考えます。Siは4価なので電子の足が4本ありますが、Bは3価であり3本の足があります。なので、SiにBを混ぜると電子が1つ足りず、空席となってしまう箇所ができてしまいます。この空席のことをホール(正孔)と呼びます。このホールのところに近くの電子が移動してきます。そして、電子が移動すると元々電子がいたところが次はホールとなり、そこにまた別の電子が移動してきます。これを繰り返すことで電流が流れるのです。また、この時実際に動いているのは電子ですが、あたかもホールが動いているように見えるため、P型では電流の担い手はホールとして扱います。
今回はここまでです。
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